バカが勝つ!?


行きつけの美容院での出来事。

 

私:「マスクしながらお仕事をしているのって苦しいですか?」 

彼:「いえ、もう慣れちゃいましたね。初めの頃はとっても苦しくて仕事にならないと思ってたんだけど」

 

そんな他愛もない会話のあと、彼は続けてこう言った。

 

彼:「ただね、こんないいこともあったんだ」

私:「え?なになに?」

 

彼は10年前に今の美容院を起ち上げ、今や予約の取れないほどの大人気店になっている。

たまの休みにはたっぷりとニンニクの入ったラーメンを食べるのだそう。

ニンニクを食べると、独特のにおいがしますよね。

街ですれ違ってもわかるくらいの異臭。

まるで自分がニンニクにでもなってしまったかのように。

 

 

勘の良い方ならお気づきになったかもしれませんね。 

そう、マスクをしているおかげで、ニンニクを食べたあとでも口臭が外に漏れない!!

ような気がする、と彼は言うのです。

 

それを聞いて大笑い。

マスク姿の二人でゲラゲラと!!

 

そして彼は微笑みながら(マスク越しなので表情はわかりませんが)続けた。

「マスクをすることって、もう強制的みたいなものでしょ?だったらさ、逆手に取りたいな、って思ったんだ」

 

~✡~

 

マスクをすることが普通の状態になって早や数ヶ月。

街を歩いていても、電車に乗っても、どこへ行ってもマスク、マスク、マスク。

夏の紫外線でマスク焼けをしている方も見かけました。

 

とはいえ、このマスクをつけるという習慣、とても利他的で、日本人らしい行動ですよね。

医療従事者の友人からは、マスクをして手洗いを徹底していることでインフルエンザの患者数が激減していると聞きました。

 

 

その反面、今までマスクをし慣れていない人たちにとっては【マスクを着用すること】それ自体がストレスになっているようです。

私もそのうちの一人。

 

 

旅行へも行けない、映画館や舞台公演、コンサートにも行けない。

ストレス解消法が、ことごとく制限されているという現状。

カラフルなマスクや手作りマスクを着用するという手段は、意識的にか無意識的にか、着用していることで生じるストレスを軽減しようと努力をする姿なのかもしれません。

 

さて、ひとしきり大笑いした二人。

マスクをして施術をすることを強いられた彼はこう言いました。

彼:「マイナスのことばかり見ていても仕方ないよね。現状は現状で、楽しいこともたくさんあるし。結局、バカが勝つんじゃないかな」

私:「そうそう、踊る阿呆に見る阿呆、同じアホなら踊らにゃソンソン!」

 

~✡~

 

その反面で起きていることがある。

芸能人が自ら死を選ぶという寂しく悲しい事件。

そんなニュースが毎日のように目や耳に入ってくる。

 

彼らにとっては、もはや逃げる道がそこしかなかったとはいえ、その前に私たちのような心理療法家を探し出し、愚痴でもなんでも吐いてほしかった。

身分を明かせないのだとしたら、偽名でも匿名でも構わない。

少なくとも我々には守秘義務があるわけだし、クライエントが芸能人だからってその情報を外部には絶対に漏らさない。

 

 

ストレス解消の方法は人それぞれ違うし、どれくらいの期間続くかも、個人差が大きい。

ニンニクを食べて一週間を乗り切る美容師もいれば、気が向いたときに心理療法家に愚痴を吐いてスッキリする方もいる。

 

深く落ち込み、先が見えない状況に陥ることも人として大切。

だけど、その場にとどまることなく、這い上がってほしい。

這い上がった先に、救いはあるはずだから。

 

心理療法家は、悩み苦しむ方に一筋の光を与える存在。

 

少しでも、バカになってみませんか。

バカになって、大笑いして、『死』などというわけのわからないモノを遠ざけてみませんか。

 

ご連絡をいただければ、もちろん真剣に、あなたの話をお聴きします。

どんな方でも、どうぞお気軽に。

 

written by  Shigechika Suzuki