私の好きな。。


専門家たるもの、日々の訓練を重ねていればこそ成長がある。

心理支援職のみなさん、訓練していますか。

 

クライエントが求めるものを、できる限り提供するのが私たち、心理療法家。以前からよく耳にしていたのは、セラピスト自身が、自分の好きな療法でのみクライエントに接するというもの。

 

精神分析療法や催眠療法、ロジャーズ派と呼ばれる非指示的心理療法、何年か前からトレンドになっているCBT、いわゆる認知行動療法、その他もろもろ、有象無象のごとく心理療法は存在する。

 

でもこれって、セラピストの自己満足なんじゃない?

と、新しい心理療法が出てくるたびに思っていた。

マインドフルネスやセルフコンパッション、なんとかかんとかセラピー、果てはNLPやマイクロカウンセリング。

ここまで行くと心理療法というより自己啓発に近い。

 

だとしたら、一体、何が目的なのだろう?

セラピストの自己満足が、クライエントの固まった心をほぐすのだろうか。

私の保持している資格は、EAPと呼ばれるアメリカ発祥の従業員支援プログラム。主な対象は従業員で、会社勤めをしている方が業務の質量からうつ病を発症してしまったり、ストレス過多になったり。

なるべく短期間で業務のできるような通常状態に引っ張り上げる、そんなカウンセリングを施す。

なので、根本的な解決というよりは表層を取り除くという感じがする。

 

だが、私の場合はこのEAPはただの足がかり。

従業員を、会社勤めの方に限定してしまったら、専業主婦やパートタイマーはどうなるのだろう。生きていること、それ自体が仕事なのではないだろうか。資格を取得するために受けた口頭諮問でも、私は熱意を持って『支援対象としたいのは専業主婦の方など、一見従業員とは思えない方』と答えた。

試験監督は、スクールでは知らない人はいないほどの有名な厳しい講師であり、NPOの理事もされている方だったが、この方に自分の思いを伝えたときに既に、私の覚悟は決まっていたのかもしれません。

 

無事にアトリエ・IMAを開業し、何人かのクライエントのお話しを聴かせていただいている時に、いきなり私は限界を感じてしまいました。今まで学んできたことが役に立たなかったからです。クライエントは、傾聴なんかよりもより深い共感と受容を求めていた。さらに言えば、インターネットには載っていない答えのようなものを知りたがっていた。

 

経験も知識も不足していた私は、何度となく失敗しました。

頼ってくださるクライエントを、より深く傷つけてしまったのです。

 

そんな時、一緒に学んでいたクラスメイトが日本ユング心理学会(JAJP)第7回年次学会へ参加しないか、と誘ってくれた。

かの有名な河合隼雄先生のご子息である河合俊雄先生率いる、プロ集団である。河合隼雄先生のことも、ユング先生のことも、よくは知らなかったが何故か強く惹かれたことを思い出す。

 

忘れもしない2018年6月23日。

私のセラピスト人生を決定づける場所に、自ら赴いた。

『コミットしない夢はただの夢』この言葉が今も頭から離れることはない。そして谷川俊太郎先生から語られたLSDの話も、刺激的だった。学会の楽しみのひとつ、書籍販売にも目を輝かせた。

その後も京都で開催された研修会に参加したり、直近では日本国際力動的心理療法の年次学会にも参加。時代は大きく変貌し、コロナ禍や戦争状態による円の暴落や女性の社会進出、SNS依存、先が見えない不安から自死を選ぶ芸能人。まだ5年しか経っていないのに、まるで別の世界に生きているように感じる。

 

この5年の間に、新たにクライエントになってくださる方も増え、いわゆるアトリエ・IMAセラピィが世に受け入れられてきたと手ごたえを感じ始めていたとき、日本心理療法統合学会に出逢う。

福島先生や杉原先生など、お名前を挙げたらきりがない、これからの心理療法を引っ張るスーパースターたち。

仲間、という言葉が相応しい、とてもアットホームな学会のメンバー。そしてついに来年の3月、河合隼雄先生が教鞭を取った憧れの京都大学で年次大会が開かれる。

 

時は今という場所にしか存在しない、そして現在も過去も未来も同じ場所にある、さらに、時は過去から未来ではなく未来から過去へ流れている。

アトリエ・IMAが信じる理念である。

 

 

あなたは決して一人ではない。

少なくとも、このブログを読んでくださったこの時から、同じ場所に私たちはいます。ぜひ、アトリエ・IMAをご用命ください。

 

一緒に、強くなりましょう。

一緒に、乗り越えましょう。

一緒に、歩んでいきましょう。